HPE SAS SSD修正ガイド
HPE SAS SSD修正ガイド
複数のサプライヤーからHPEに対し、特定のソリッドステートドライブ (SSD) に影響を及ぼす重大な問題について通知があり、当該サプライヤーが製造したドライブにおける障害の発生を回避するためにファームウェアアップデートを実施する必要があることがわかりました。HPEは、お客様サポートの向上とファームウェアアップデートプロセスの簡素化に努めており、今回の問題につきましても、お客様が24時間365日必要な情報やツールにアクセスし、影響を受けるドライブをリアルタイムで特定して迅速に修正できるよう支援するため、このような専用のSSD修正ガイドWebページをご用意しました。
お客様におかれましては、HPE iLO Amplifier Pack、HPE InfoSight for Servers、HPE Service Pack for ProLiant、Smart Update Managerなどの各種リソースおよびツールをご利用のうえ、データセンター環境におけるSSDの問題を効果的に特定して対処いただくようお願いいたします。なお、「HPEプラットフォームとSSDモデルのマトリックス」のドキュメントには、SSDファームウェアをダウンロードするためのダイレクトリンクが含まれています。
HPE SAS SSDの問題とはどのようなものですか?
- 40,000時間の問題 (40,000時間の稼働で障害が発生): 2020年2月に、SSDのサプライヤー1社からHPEに対し、業界全体で使用されている特定のSAS SSDモデルに影響を及ぼすメーカーのファームウェアの不具合について通知がありました。この問題では、多数のHPEサーバー製品およびストレージ製品で使用されている、HPD7より前のバージョンのHPEファームウェアを搭載した特定のHPE SAS SSDにおいて、稼働時間が40,000時間 (4年206日と16時間) に達した時点でSSDに障害が発生する可能性があります。SSDの障害は40,000時間の稼働後に発生し、HPEがこれらのSSDの出荷を開始した日が基準となるため、影響が生じるのは早くても2020年10月以降となりますが、HPE SimpliVity OmniCubeについては、現時点で不具合が発生するリスクがあります。このSSDの問題はHPEのみに影響するものではなく、これらのSSDを購入したすべてのユーザーに影響を及ぼす可能性があります。
- 32,000時間の問題 (32,768時間の稼働で障害が発生): 2019年11月に、SSDのサプライヤー1社からHPEに対し、多数のHPEサーバー製品およびストレージ製品で使用されている特定のSAS SSDモデルに影響を及ぼすメーカーのファームウェアの不具合について通知がありました。この問題では、HPD8より前のバージョンのHPEファームウェアを搭載した特定のHPE SAS SSDにおいて、稼働時間が32,768時間 (3年270日と8時間) に達した時点でSSDに障害が発生する可能性があります。
サプライヤーにおけるSSDの問題の影響を受けるのは、どのHPE SSDモデル、サーバーおよびストレージプラットフォームですか?
SSDの問題の影響を受けるHPEのサーバーおよびストレージプラットフォームを網羅したリストについては、以下の「HPEプラットフォームとSSDモデルのマトリックス」のドキュメントをご覧ください。これらのドキュメントには、SSDファームウェアをダウンロードするためのダイレクトリンクも含まれています。
影響を受けるSSDがデータセンター環境内にあるかどうかを確認するにはどうすればよいですか?
問題の解決に着手する前に、HPEの各種ツールを利用して問題を検出/特定することをお勧めします。それにより、データセンター環境で影響を受けるSAS SSDを特定し、SSDの問題に効果的に対処するプロセスをスムーズに進めることができます。
標準HPEデータセンター管理ツール:
- HPE InfoSight for Servers - 影響を受けるSSDを利用しているお客様に対し、お客様へのお知らせやファームウェアのダウンロードリンクを含む、警告メッセージ (「ウェルネスアラート」) を送信します。
- ウェルネスアラートのメッセージを受信できるよう、HPE InfoSight for Serversを今すぐインストールしていただくようお願いいたします。これにより、製品の潜在的な問題を把握するとともに、パフォーマンスを最適化し、問題を予測して回避することができます。
- HPE iLO Amplifier Pack - 手動での確認が必要なSSDの型番およびファームウェアバージョンが記載されたレポートを提供します。HPE iLO Amplifier PackとHPE InfoSight for Serversとの連携により、サーバーに関する問題の把握、管理、トラブルシューティングが行えます。
- HPE Smart Storage Administrator (SSA) - 手動での確認が必要なSAS SSDの稼働時間の確認に使用できる場合があります。
- HPE MSA Storage Health Check - ログファイルを安全にアップロードできます。また、重要な事実、推奨される改善項目、アレイの可用性を最大限まで向上させるための条件をまとめた、お客様専用のレポートを受け取ることができます。詳細については、お客様へのお知らせをご覧ください。
HPE SSD問題検出スクリプト
HPE SSD問題検出スクリプトを使用すると、特定のHPE SAS SSDにおける稼働時間による不具合発生の問題について、SSDのドライブファームウェアをチェックすることができます。ただし、40,000時間の問題と32,000時間の問題の影響を受けるSSDモデルを特定するには、両方のスクリプトを実行する必要があります。スクリプトはLinux、VMware、Windowsで使用できます。使用方法については、zipファイル内のREADME.txtファイルをご覧ください。
SSDの問題を解決 (修正) するにはどうすればよいですか?
HPEでは、影響を受けるすべてのSAS SSDモデル向けにアップデートされたファームウェアをリリースしており、重要な修正の即時適用をお願いいたします。指定されたSSDファームウェアバージョンへのアップデートを怠ると、前述のように、ドライブ障害やデータ損失が発生する可能性があります。まずはHPE問題検出スクリプトを利用してデータセンター環境内のSSDを特定したうえで、ファームウェアアップデートを実施することをお勧めします。適切なSSDファームウェアをダウンロードするためのリンクは、以下のドキュメントに含まれています。
- 40,000時間の問題: HPEプラットフォームとSSDモデルのマトリックス (ファームウェアのダウンロードリンク付き)
- 32,000時間の問題: HPEプラットフォームとSSDモデルのマトリックス (ファームウェアのダウンロードリンク付き)
重要: アップデートされたファームウェアは特定のSSDモデル向けです。また、40,000時間の問題用のファームウェアと32,000時間の問題用のファームウェアを置き換えて使用することはできません。
HPE Service Pack for ProLiant (SPP) とSmart Update Manager (SUM) を使用すると、SSDのファームウェアアップデートプロセスを簡素化できます。これらのツールは、どのファームウェアがどのSSDに適合するかを認識し、データセンター全体の各プラットフォームに対して適切なファームウェアアップデートを適用します。ドライブモデルとプラットフォームのオペレーティングシステムに適した複数の独自のSmartコンポーネントにより、ドライブファームウェアをアップデートすることができます。また、構成に表示されたドライブモデルに基づいて、Smartコンポーネントをダウンロードして単一のプラットフォームにインストールすることも可能です。詳細については、HPE SAS SSDファームウェアアップデート - ソフトウェア分析およびアップデートツールをご覧ください。
こうしたSSDの問題に関する詳細情報はどこで入手できますか?
SAS SSDの問題に関する各プラットフォームの詳細情報については、以下のHPEからお客様へのお知らせをご覧ください。
40,000時間の問題
- お客様へのお知らせ: HPE ProLiant、Synergy、およびApolloプラットフォーム
- お客様へのお知らせ: HPE SimpliVity OmniCube - 重要なソリッドステートドライブ (SSD) のファームウェアアップデートの提供
32,000時間の問題
- お客様へのお知らせ: HPE MSAストレージ
- お客様へのお知らせ: HPE StoreVirtual 3200およびStoreVirtual 4335ハイブリッド
- お客様へのお知らせ: HPE ConvergedSystem for SAP HANA
- お客様へのお知らせ: HPE ProLiant、Synergy、およびApolloプラットフォーム
その他のHPEのサポート: