デジタルワークプレイス
デジタルワークプレイスとは
デジタルワークプレイスは、従業員が出勤していた従来のオフィス環境をバーチャルにしたもので、デジタルアプリケーション、クラウドコンピューティング、その他のテクノロジーを組み合わせることで、コラボレーションや生産性の多くの部分を実現可能にします。
デジタルワークプレイスの利用方法
デジタルエコシステムでは、オフィスの一定の活動や機能をオンラインで実行しており、多くの場合、特定の業界のニーズやセキュリティニーズ、特定のチーム、個人の嗜好に対応しています。デジタルワークプレイスはローカルな少人数の従業員グループ用に展開できる一方で、複数のオフィスや支店が様々な都市、州、国にある場合も導入できます。
言い替えれば、デジタルワークプレイスには企業にとって無限の可能性があり、従来の職場によくある障壁を取り除いて、私たちがどこでどのように働くかを変えていくことができます。
デジタルワークプレイスに必要なインフラストラクチャ
デジタルワークプレイス ソリューションでは、デバイス、ソフトウェア、ハードウェアをいくつか統合します。デジタルワークプレイスはシンプルで、メールやインスタントメッセージ、オンライン会議ツール、保存や処理用のクラウドリソース、ソーシャルメディアの共有、ビジネスアプリケーションなどと同じようなものです。適切に展開すれば、アジリティ、柔軟性、生産性、収益を向上させ、イノベーションを加速化できる可能性もあります。
デジタルワークプレイス革命
職場に対する考え方は、近代産業化以降常に変化してきました。その中で、デジタルワークプレイスは比較的新しい進歩であり、インターネット対応機器の急速な発展、データとその分析ニーズの増加、若者世代のニーズの変化によって、拍車がかかっています。
テクノロジー
過去20~30年に、既存および新規のテクノロジーが急速に進歩し、従業員はほぼ無限の機能を手にするようになりました。特にインターネットとそこから派生した膨大なテクノロジーは、職場というものの一般的概念を多様化させました。物理的なスペースはもう必要なくなり、何千マイルも隔たっていても瞬時に交信できます。情報はほぼリアルタイムで保存、アクセス、共有できます。人々と生産性をつなぐ架け橋はかつてないほど短くなっています。
データ
常に稼動しつながっている今日の世界では、大量のデータが放出されています。携帯電話から人工知能や機械学習まで、私たちはインターネットを通じて大量の情報 (ビッグデータなど) を生成および収集しています。そのため、問題も出てきます。職場にはデータを分析し、価値あるものにするための迅速で信頼性の高い方法が必要です。
人材
将来を担う若者のニーズや価値観の変化も、デジタルワークプレイスを後押ししています。ベビーブーム世代が仕事と家庭を完全に区別する一方で、若い世代は働き方にもっと柔軟性を求めており、ハイブリッドワークモデル (事前の予定や必要に応じて自宅などのオフサイトで従業員が勤務できる) の普及につながっています。従業員はクラウドベースのサーバーやアプリケーションから必要なデータなどにアクセスし、チームと簡単に交流できます。
デジタルワークプレイスモデルの構成要素
デジタルワークプレイスのモデルには、大まかに分けて、コミュニケーション、セキュリティ、ストレージ、分析、管理の5つの基本要素があります。デジタルワークプレイスは必ずしもすべての要素をそろえる必要はなく、具体的に業務に関わるものだけで十分です。
コミュニケーション
コミュニケーションはあらゆるデジタルワークプレイスの成功に欠かせません。1つ以上の場所から、完全なリアルタイムまたはリアルタイムに近い交流やコラボレーションを行います。一般的なプログラムには、Slackなどのインスタントメッセージプラットフォームや、Zoomなどのオンライン会議アプリケーションがあります。この要素には非同期の方法も含める必要があります。同期コミュニケーションと比べて、非同期の場合は即時のアクションを必要とせず、人々は自身の都合に合わせて応答したりアップデートしたりできます。広く使われているものに電子メールがあります。
セキュリティ
便利だとはいえ、重要なワークロードやプログラムをオンラインに移行することは、オンライン脅威やサイバー脅威の可能性を企業にもたらします。デジタルワークプレイスでは、ハッカーや悪意のある攻撃から自衛することが不可欠です。セキュリティは、政府のコンプライアンスや規制の下で義務付けられている場合と、企業の裁量やニーズに任されている場合があります。
ストレージ
オンサイトの物理サーバーにあるかクラウドにアップロードしているかにかかわらず、予定外および予定どおりのワークロードを扱うのに十分なストレージを用意することが不可欠です。
分析
膨大な量のデータを収集および供給することがミッションクリティカルな業務の役割である場合、強力で効率的なデジタルバックボーンを用意することで、アジリティの向上、イノベーションの推進、競争力の強化につながります。
管理
デジタルワークプレイスでは、特に複数の場所から従業員が協力して作業する場合に、すべてのプロジェクトを追跡するシステムが必要です。これには、開始から終了まで進捗を監視するプロジェクト管理、ユーザーが単一のインターフェイスを通じてコラボレーションできるケース管理、非効率な点を特定してワークフローを効率化できる効果的なプロセス管理が必要です。
デジタルワークプレイスモデルのメリットとデメリット
メリット
- 拡張性と柔軟性を実現する機会が広がり、新規のビジネスチャンスや予想外の事業の混乱 (世界的パンデミックや悪天候など) に適応できます。
- 生産性向上に役立つコラボレーションおよびマルチタスクの機能を強化して、従業員がどこにいても (出張中、オフィス外での会議の合間、在宅など) 仕事ができるよう支援します。
- ワークライフバランスに価値を置き、ハイブリッドやリモートでの働き方や、自身が優先するものを損なわない働き方に魅力を感じる人材を引き付けることができます。デジタルモデルへの移行は、従業員の定着率向上にも役立つ可能性があります。
- オーバーヘッドを削減できます。デジタルワークプレイスの要素を取り入れることで、出張費を削減できます。フルタイムのオンライン/リモートモデルに切り替えれば、オフィスや家具などの固定費がなくなります。
- 透明性を強化できます。ワークフローをデジタルスペースに移すことで、日々の業務に関するインサイトをさらに引き出し、うまくいっている部分や改善の余地を見極めるために役立てることができます。
- 収益を増やせます。ほかのコスト削減と合わせることにより、デジタルモデルは、商機を促進し迅速な市場投入を助けるアジリティを実現できます。
デメリット
- 十分に強力な安定したインターネット接続が常に必要です。これがなければ仕事が立ち行かなくなります。
- サイバー脅威など特定の脅威に脆弱です。リソースが外因から隔離されている従来のモデルと異なり、貴重なデータが、ハッカーや企業スパイなど悪意のある人物のターゲットになる可能性があります。
- セットアップ、トレーニング、管理、アップデートなどの先行投資や定期コストが必要です。
HPEとデジタルワークプレイス ソリューション
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HPEは、強力なオンサイトの処理装置やストレージから、HPE GreenLakeなどクラウドベースのプラットフォームまで、一流企業が固有のビジネスニーズに合わせてハイブリッドやクラウドベースの仕事環境を作り上げるのに必要とするインフラストラクチャと、それをすべて安全に維持するためのセキュリティを提供しています。また、お客様のデジタルワークプレイスソリューションの管理も行い、時間、エネルギー、予算を節約して、それらを真のビジネスイノベーションに振り向けられるようにします。
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