サービスとしてのデータ保護 (DPaaS)

Data Protection as a Service (DPaaS) とは

Data Protection as a Service (DPaaS) は、ネットワークを保護し、求められるSLAごとにリカバリオプションを提供することで、組織がデータとアプリケーションを保護できるようにする、クラウドベースまたはWeb提供型サービスであり、従量制モデルで提供されます。

Data Protection as a Serviceが重要となる理由

最新のクラウドアプリケーションやエッジアプリケーションによってプライマリデータの量が増大するにつれて、企業は、プライマリデータの10~50倍のサイズが必要になることが多いバックアップ容量に対応する必要に迫られています。セキュリティ攻撃がますます巧妙化し、データ環境が変化するなかで、従来のデータ保護テクノロジーだけに頼っていると、管理と運用が複雑になり、コストも嵩みます。

Data Protection as a Serviceを利用すると、すべてのデータ保護の取り組みを1つの最新プラットフォームに統合し、従量制モデルを通じて1つのベンダーから提供することで、リスクを軽減できます。

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Data Protection as a Serviceの仕組み

DPaaSにより、企業は、バックアップ インフラストラクチャを所有して維持するモデルから、従量制課金モデルでインフラストラクチャにアクセスして利用するだけのモデルに移行できます。以前のワークロードに基づいて、必要なコンピューティング、ネットワーク、ストレージの量を選択し、需要の変化に応じて拡張することができます。また、リースの一部として暗号化、保持、セキュリティ ポリシーを指定し、バックアップ ストレージの計画と展開をベンダーに任せることが可能です。

Data Protection as a Serviceのメリット

DPaaSでは、プライマリ データ センター ストレージ システム、リモート オフィス サーバーとストレージ デバイス、エンド ユーザー デバイスによるバックアップを統合できるため、次のようないくつかの利点が得られます。

• 資本支出の削減: 使用したバックアップ容量に対してのみ支払うことで、データ保護を運用コストに変換します。

• スケーラビリティ: ビジネスニーズの変化に応じてリソースをオンデマンドで拡張でき、需要の変化に応じて柔軟に対応できます。

• より価値の高いタスクにリソースを割くことができます。DPaaSは、集中管理されたクラウドベースのサービスを通じてエッジからクラウドまでの管理、バックアップ、DR、アーカイブを提供するため、IT組織は日常的なインフラストラクチャ管理タスクから脱却できます。

• 複雑さの軽減: データ保護をクラウドに直接展開することで、すべての事業部門とデータタイプを一元管理できるようになり、既存のワークフローを変更する必要がなくなります。

• 信頼性の向上: 最新のテクノロジーと優れた可視性を使用して、データの傾向を追跡し、リスクの軽減とパフォーマンスの向上に必要な信頼性を獲得できます。

• ベンダーロックインなし: Data Protection as a Serviceでは、独自の構成を使用して環境をカスタマイズできます。

• クイックスタート: DPaaSでは、起動して実行するためにインストールや調整が必要となるものがありません。管理ポリシーとバックアップスケジュールを決定するだけで、すぐに利用できます。

Data Protection as a Serviceの潜在的な欠点

サービス契約には、月々の請求額に加算される可能性のある追加の考慮事項がいくつかあります。

複雑な請求

請求の基準が適切に定義されない限り、データ量が増加するにつれて、DPaaSのコスト面のメリットはなくなります。

クラウドのイーグレス料金

クラウドから社内にデータを戻すと、イーグレス料金が発生する可能性があります。

最低月額コミットメント

一部のサブスクリプションには、毎月所定の最小ストレージ容量が含まれています。その量を超えると、組織が通常は必要としない容量を「レンタル」することになる場合があります。

リフレッシュコスト

新しいテクノロジーが登場すると、ベンダーは変更に対応するために構成を調整しますが、そうしたコストはエンドユーザーからは見えません。サブスクリプション価格の値上げとして転嫁される可能性があります。

制御不可能

データは環境外に移動され、サービスプロバイダーの管理下に置かれるため、クラウドバックアッププロバイダーの機器、物理的なセキュリティ手順、データ保護プロセス、および財務上の実現可能性について可能な限り詳しく知る必要があります。

HPEとData Protection as a Service

HPEは、バックアップとリカバリの最新化、データ損失やランサムウェアの脅威からの保護、あらゆる災害からの復旧を支援する、データ保護のための業界をリードするクラウドサービス ソリューションを提供します。こうしたサービスにより、迅速なリカバリからランサムウェア対策やデータの長期保持に至るまで、オンプレミスまたはパブリッククラウドでデータ保護の最新化に必要な柔軟性が得られるうえに、運用が簡素化され、あらゆるSLAに適切なコストで対応できます。

HPE GreenLake Edge-to-Cloudプラットフォームは、ハードウェアとバックアップ ソフトウェアを備えたエンドツーエンドのバックアップソリューションに加えて、日常的なバックアップタスクやキャパシティプランニングからITスタッフを解放するサービスを提供します。HPE GreenLake Backupは、パブリッククラウドのシンプルさ、アジリティ、および優れた経済性にオンプレミスのバックアップ環境のセキュリティとパフォーマンスのメリットを組み合わせて提供します。

このプラットフォームは、インスタントオン動の従量制バックアップ ソリューションを使用して、オンプレミス、ハイブリッド、またはクラウド環境のいずれにあっても、データを保存または保護するための容量プロビジョニングを提供します。また、組み込みの重複排除機能と自動容量スケーリング機能も提供しており、ストレージを効率的に最適化し、ビジネスの回復力を維持するために必要なレベルでデータを保護します。そのためお客様は、測定技術と管理サービスを利用して、お客様に代わってインフラストラクチャを実行してデータを保護できるだけでなく、オンプレミスまたはコロケーションのデータセンターでデータの制御性とセキュリティを確保できます。