マルチクラウド管理

マルチクラウド管理とは

マルチクラウド管理は、組織のITチームが単一のインターフェイスでさまざまなパブリッククラウドのワークロードを監視し、アプリケーションのセキュリティを維持するために活用する仕組みです。

マルチクラウド管理のメリット

マルチクラウド管理とは、組織のITインフラストラクチャ内での複数のクラウドサービスまたはプロバイダーの利用を管理および最適化する手法のことです。このアプローチには、次のような大きなメリットがあります。

  • 耐障害性と可用性の向上: マルチクラウド環境は、ワークロードをさまざまなクラウドプロバイダーに分散することで、1つのプロバイダーで障害が発生した場合のダウンタイムのリスクを軽減します。この耐障害性により、クラウドプロバイダーでの問題発生時も、重要なアプリケーションやサービスの可用性が維持されます。
  • 柔軟性とベンダー中立性: マルチクラウド戦略では、組織が個別のワークロードやユースケースに最も適したクラウドプロバイダーおよびサービスを選択できます。このベンダー中立の手法ではベンダーロックインが軽減されるため、組織はニーズの変化に対応しながら競争力のある価格設定が行えます。
  • コスト管理の最適化: マルチクラウド管理ツールおよび手法により、クラウドへの支出が明確に可視化されます。組織は、コスト効率に優れたクラウドサービスを選択し、リソース拡張を行ってコスト管理ポリシーを自動化することで、コストを最適化できます。
  • パフォーマンスの最適化: マルチクラウド環境では、組織のアプリケーションに最も適したパフォーマンスを提供するクラウドプロバイダーとクラウドリージョンを選択できます。その選択により、レイテンシを短縮してユーザーエクスペリエンスを改善し、アプリケーションの応答性を向上させることができます。
  • コンプライアンスとデータ主権: マルチクラウド戦略では、地域の法令に準拠した特定の地域またはクラウドプロバイダーにデータを保管することにより、地域のデータコンプライアンス規制に対応できます。
  • 拡張性とアジリティ: マルチクラウド環境は動的拡張をサポートしており、組織はワークロードの変化に合わせてリソースを即座に調整できます。こうした拡張性により、ビジネスニーズの変化に対するアジリティと即応性も向上します。

 

関連するHPEのソリューション、製品、サービス
  • リスク軽減: 組織は、リソースを複数のクラウドプロバイダーに分散させることで、1つのプロバイダーで生じた脆弱性やセキュリティ侵害に伴うリスクを軽減できます。こうした分散化により、全体のセキュリティポスチャが強化されます。
  • ディザスタリカバリ/事業継続性: マルチクラウド環境では、堅牢なディザスタリカバリおよび事業継続計画を策定できます。複数のプロバイダー間でデータが冗長化されることでデータの耐障害性が確保され、障害が発生した場合はクラウド間でシームレスにワークロードを移行できます。
  • イノベーションとサービス最適化: 組織は、各クラウドプロバイダーが提供する独自のサービスと機能を活用してイノベーションを推進し、競争力を向上させることができます。このアプローチにより、最新のクラウドサービスおよびテクノロジーの導入が促進されます。
  • 一元管理および制御: マルチクラウド管理プラットフォームでは、すべてのクラウドリソースを一元的に把握し、管理とガバナンスを簡素化することができます。こうした一元管理により、セキュリティ、コンプライアンス、ポリシー適用が強化されます。
  • グローバル展開: マルチクラウド戦略により、組織はさまざまな場所でアプリケーションとサービスを展開し、グローバル展開を拡大して海外ユーザーに対応できます。
  • 将来を見据えた環境: テクノロジー環境が絶えず変化するなかで、組織はマルチクラウド管理により、最新のテクノロジーと動向に適切に対応できます。

要約すると、マルチクラウド管理は、組織の耐障害性、柔軟性、コスト最適化、および制御性を向上させると同時に、リスクを軽減して複数のクラウドプロバイダーの強みを活用できるようにします。こうしたメリットにより、ビジネスオペレーションの強化、競争力の向上、変化し続けるIT環境での将来を見据えた環境整備が可能になります。

マルチクラウド管理の課題

マルチクラウド管理はさまざまなメリットをもたらしますが、組織がマルチクラウド環境のメリットを有効活用するために対処しなければならない大きな課題もいくつかあります。

 

  • リソース管理の複雑さ: 複数のクラウドプロバイダーに分散したリソースの管理は複雑な作業となります。プロバイダーはそれぞれ独自のツール、インターフェイス、APIを使用している場合があり、それによってリソースのプロビジョニング、構成、監視が複雑になり、時間もかかります。
  • スキルギャップ: 複数のクラウドプラットフォームを管理する場合は、多様なスキルに加えて、各プロバイダーに固有のテクノロジーに関する専門知識が求められます。それにより、ITチーム内でスキルギャップが生じる可能性があり、継続的なトレーニングとスキルアップの取り組みが必要となります。
  • ベンダーロックインのリスク: 組織はベンダーロックインを回避したいと考えているものの、意図せず、単一ベンダーが提供する特定のクラウドサービスや機能に依存してしまうことがあり、プロバイダーを変更したり、ビジネスニーズの変化に対応したりすることが困難になります。
  • コスト管理の課題: マルチクラウド環境におけるコスト管理は簡単ではありません。複数のプロバイダーにおける支出を管理し、リソース割り当てを最適化して予期しない支出を避けるには、慎重なプランニングと継続的な監視が必要となります。
  • データセキュリティとコンプライアンス: セキュリティモデルやコンプライアンス基準が異なる複数のクラウドプロバイダー間で、整合性のあるデータセキュリティとコンプライアンスを維持することは困難です。データ保護、暗号化、アクセス制御を慎重に調整する必要があります。
  • 統合の複雑さ: 異なるクラウドで実行されているアプリケーションとサービスを統合するのは簡単ではなく、大規模な統合作業が必要となります。相互運用性の問題が、クラウドコンポーネント間のシームレスなデータフローや通信の妨げとなることがあります。
  • 可視性と監視: マルチクラウドリソースのパフォーマンス、稼働状態、セキュリティをリアルタイムで把握し続けることは困難です。一元的な監視や分析ツールが不足していると、問題解決における効率が低下して遅延が生じる可能性があります。
  • データ転送およびポータビリティ: 異なるクラウドプロバイダー間のデータ移動は、特に大量のデータを転送する場合、時間もコストもかかります。また、データ転送の速度、フォーマット、プロトコルがプロバイダーによって異なる場合があります。
  • ガバナンスとポリシーの整合性: 複数のクラウドにわたって整合性のあるガバナンスポリシーとコンプライアンス基準を適用するには、慎重に計画して実行する必要があります。実装するポリシーに整合性がないと、組織がリスクにさらされることになります。
  • リソースの冗長性: 適切に管理されていなければ、クラウドプロバイダー間でリソースが重複してしまい、使用率の低下や不必要な支出が発生します。
  • 変更管理: マルチクラウド環境に適応する際には、通常、組織内の文化の変革が必要となります。新しい方法やワークフローへの抵抗など、変更管理に伴う課題に対処する必要があります。
  • インシデント対応の調整: 異なるクラウドプロバイダー間でインシデント対応と解決の手順を調整することは簡単ではありません。より明確なコミュニケーションチャネルとインシデント管理プロセスが必要となります。
  • ベンダー関係: 契約交渉やサービスレベル合意書 (SLA) などで複数のクラウドプロバイダーと良好な関係を維持するには、効果的なベンダー管理手法が必要となります。
  • リソースライフサイクル管理: プロセスの標準化や自動化が進んでいなければ、複数のクラウドにわたって、プロビジョニングから廃棄に至るまでのクラウドリソースのライフサイクル全体を管理することは困難です。
  • パフォーマンス最適化: マルチクラウド環境で最適なパフォーマンスを維持する作業には、複雑なロードバランシング、トラフィックルーティング、リソース拡張戦略が含まれる場合があり、それには継続的な管理と調整が必要となります。

要約すると、マルチクラウド管理は大きなメリットをもたらしますが、組織がマルチクラウド戦略を最大限に活用するには、複雑さ、スキル、コスト管理、セキュリティとガバナンスに関連する課題に対処する必要があります。こうした課題を解決するには、テクノロジー、プロセスの改善、そして組織的な適応のすべてが必要となります。

マルチクラウド管理の主要コンポーネント

A. クラウド管理プラットフォーム (CMP)

 

CMPの特徴と機能:

  • 統合ダッシュボード: CMPでは、単一のダッシュボードで複数のクラウドプロバイダーのリソースを管理できます。
  • リソースプロビジョニング: クラウドリソースのプロビジョニングを自動化できます。
  • リソース拡張: CMPでは、ニーズに応じてリソースを動的に拡張できます。
  • リソース監視: リアルタイム監視およびアラート機能を提供します。
  • ポリシー管理: CMPがリソース割り当て、セキュリティ、およびコンプライアンスポリシーを適用します。
  • アプリケーションライフサイクル管理: CMPが、作成から廃棄までのアプリケーション管理をサポートします。
  • セキュリティとコンプライアンス: マルチクラウド環境全体でセキュリティとコンプライアンスを維持できるようにサポートします。

 

マルチクラウド管理にCMPを利用するメリット:

  • 管理の簡素化: 複数のクラウドにわたって管理タスクを効率化できます。
  • コスト管理: コスト可視化および管理ツールの提供により、コストを最適化できます。
  • 効率: リソースのプロビジョニングと拡張を自動化できます。
  • 柔軟性: 組織のニーズに最も適したクラウドサービスを選択できます。
  • 複雑さの軽減: ガバナンスとポリシー適用を一元化できます。
  • 拡張性: ワークロードのニーズに合わせてリソースを動的に拡張できます。

 

市場をリードするCMPソリューション:

  • VMware vRealize: ハイブリッドマルチクラウド環境全体でクラウドを管理します。
  • Red Hat CloudForms: マルチクラウド管理と自動化を実行します。
  • Cisco CloudCenter: アプリケーション中心のマルチクラウド管理を行います。
  • IBM Cloud Pak for Multicloud Management: 複数のクラウド環境にわたってアプリケーションとインフラストラクチャを管理します。
  • Microsoft Azure Arc: Azure管理をオンプレミス環境とマルチクラウド環境に適用します。
  • ヒューレット・パッカード エンタープライズ (HPE) GreenLake: HPE GreenLakeは、各種サービス (Infrastructure as a service (IaaS)、Platform as a service (PaaS)、マネージドサービス) を提供するクラウドサービスプラットフォームであり、クラウド管理を簡素化してリソースを最適化します。

B. クラウドオーケストレーションと自動化

 

マルチクラウド展開および運用の自動化:

  • Infrastructure as Code (IaC): コードを使用してインフラストラクチャのプロビジョニングを自動化します。
  • ワークフローオーケストレーション: 複雑なワークフローとプロセスのオーケストレーションを行います。
  • 自動スケーリング: ワークロードに応じてリソースを自動的に調整します。
  • ポリシー主導の自動化: リソース割り当ておよび管理ポリシーを適用します。

 

マルチクラウド環境におけるクラウドオーケストレーションのメリット:

  • 整合性: 複数のクラウド環境にわたって整合性のある展開を維持できます。
  • スピードとアジリティ: アプリケーションのデリバリと拡張に必要な時間が短縮されます。
  • エラーの削減: 自動化により、ヒューマンエラーを最小限に抑えることができます。
  • コスト最適化: リソース使用状況を効率的に管理できます。
  • 拡張性: ニーズに応じてリソースを拡張できます。

 

クラウド自動化ツールおよびテクノロジー:

  • Terraform: インフラストラクチャのプロビジョニングと管理に使用されるInfrastructure as Codeツールです。
  • Ansible: 構成管理とアプリケーション展開に使用される自動化プラットフォームです。
  • Kubernetes: コンテナオーケストレーションにより、アプリケーションの展開と拡張を自動化します。
  • AWS CloudFormation: テンプレートを使用してインフラストラクチャをプロビジョニングします。
  • Azure DevOps: Azureリソースの自動化とCI/CDパイプラインの構築を行います。

C. コスト管理と最適化

 

マルチクラウドのコストの監視と管理:

  • コストの追跡: リソース使用状況と関連するコストを監視します。
  • 予算管理: 複数のクラウドリソースの予算を設定して執行します。
  • コスト割り当て: 部署やプロジェクトにコストを割り当てます。
  • アラート: コスト超過や異常に関するアラートを受け取ります。
  • マルチクラウド環境におけるコスト最適化戦略:
  • 規模の最適化: 実際の使用状況に合わせてリソースの規模を調整します。
  • リザーブドインスタンス: リザーブドインスタンスの購入、または節減計画によってコストを削減します。
  • スポットインスタンス: クリティカルではないワークロードにはスポットインスタンスを利用してコストを削減します。
  • リソースのタグ付け: リソースにタグを付けて整理し、コスト割り当てを効率化します。
  • 最適化ツール: クラウドプロバイダーが提供する最適化ツールと推奨事項を活用します。

 

リアルタイムコスト可視化およびレポート:

  • サードパーティのコスト管理ソリューション: CloudHealthやCloudCheckrなど、サードパーティの高度なコスト管理およびレポートツールを実装します。
  • カスタムダッシュボード: カスタムダッシュボードおよびレポートの作成により、コストをリアルタイムで可視化して追跡します。

マルチクラウドのガバナンスとポリシー管理

A. マルチクラウド向けガバナンスフレームワークの構築:

 

  • ガバナンス目標: ビジネス目標とコンプライアンス要件に適合する、明確なガバナンス目標を設定します。ガバナンスに責任を負う、主な関係者を明確にします。
  • ガバナンスフレームワーク: マルチクラウド環境のポリシー、手順、管理についてまとめたガバナンスフレームワークを作成します。このフレームワークは、セキュリティ、コスト、パフォーマンス、およびコンプライアンスの要素を考慮する必要があります。
  • ポリシー作成: リソース割り当て、セキュリティ、コンプライアンス、コスト管理など、マルチ管理のさまざまな側面に対応するポリシーを作成します。
  • ガバナンス委員会: ガバナンスポリシーの管理と適用に責任を負う、ガバナンス委員会を設置します。この委員会は、IT、セキュリティ、コンプライアンス、および財務チームの代表者で構成する必要があります。
  • ドキュメント化とトレーニング: ガバナンスポリシーおよび手順を包括的にドキュメント化し、関連する人員にトレーニングを実施して遵守させます。

B. 複数のクラウドにおけるポリシーベースの管理:

 

  • ポリシー管理の一元化: 利用しているすべてのクラウドプロバイダーに整合性のあるポリシーを適用できる、一元的なポリシー管理システムまたはツールを利用します。
  • リソース割り当てポリシー: リソース割り当てのポリシーを設定 (各クラウド環境で利用可能なインスタンスまたはサービスのタイプを指定するなど) します。
  • アクセス制御ポリシー: 各クラウド環境でリソースへのアクセスおよび修正が可能な人員を制御するポリシーを実装します。アイデンティティ/アクセス管理 (IAM) ツールを利用し、こうしたポリシーを適用します。
  • データガバナンスポリシー: 暗号化、データ保持、バックアップポリシーなどのデータ管理および保護ポリシーを設定し、すべてのクラウドでデータが安全に処理されるようにします。
  • コンプライアンスポリシー: 業界別のコンプライアンス基準 (GDPRやHIPAAなど) に適合するポリシーを作成し、すべてのクラウド環境がこうした要件に対応していることを確認します。
  • コスト管理ポリシー: 予算の制約、リソースのタグ付け、ルールの規模最適化など、コスト管理ポリシーを実装します。
  • 自動化と適用: 自動化ツールを使用してポリシーを適用し、違反があった場合は処理をトリガーします。たとえば、コスト管理ポリシーに違反しているインスタンスを自動的に終了します。

C. マルチクラウドにおけるコンプライアンスとセキュリティガバナンス:

 

  • セキュリティフレームワーク: マルチクラウド環境を網羅する、包括的なセキュリティフレームワークを策定します。これには、脅威検知、インシデント対応、セキュリティ監視を含める必要があります。
  • コンプライアンス評価: すべてのクラウド環境において、関連する規制や業界標準に準拠しているかどうかを定期的に評価します。監査を実施してコンプライアンスを維持します。
  • セキュリティポリシー: すべてのクラウドリソースのセキュリティ設定、パッチ管理、アクセス制御、暗号化基準を規定する、セキュリティポリシーを策定します。
  • セキュリティ監視: 継続的なセキュリティ監視ツールおよび手法を実装し、セキュリティ脅威をリアルタイムで検知して対応します。
  • アイデンティ/アクセス管理 (IAM): すべてのクラウドに整合性のあるIAMポリシーおよび手法を実装し、ユーザーアクセスと許可を管理します。
  • データ保護: データ暗号化、アクセス制御、データ分類などのデータ保護ポリシーが、すべてのクラウド環境に一律に適用されるようにします。
  • インシデント対応: マルチクラウド環境におけるセキュリティインシデントに対応する、インシデント対応計画を策定します。シミュレーションにより、計画を定期的に検証します。
  • サードパーティのセキュリティツール: 複数のクラウド環境のセキュリティを一元的に把握できる、サードパーティのセキュリティツールおよびサービスの利用を検討します。
  • クラウド固有のセキュリティ機能: クラウドプロバイダーが提供する組み込みのセキュリティ機能およびサービスを利用して、セキュリティとコンプライアンスを強化します。

マルチクラウド管理におけるセキュリティとコンプライアンス

A. マルチクラウドにおけるアイデンティ/アクセス管理 (IAM):

 

  • 一元的なアイデンティティ管理: すべてのクラウドプロバイダーおよびオンプレミス環境を網羅する、一元的なアイデンティティ管理システムを導入します。これには、アイデンティ/アクセス管理 (IAM) ソリューションやシングルサインオン (SSO) サービスの利用も含まれる場合があります。
  • シングルサインオン (SSO): シングルサインオンを有効にして、ユーザーが複数のクラウドプラットフォームのリソースにアクセスできるようにします。これによって複数のログイン認証情報が不要になり、セキュリティが強化されます。
  • ロールベースアクセス制御 (RBAC): すべてのクラウドに共通の役割と権限を規定し、ユーザーの責任範囲に基づいて、適切なレベルのアクセスが許可されるようにします。
  • 多要素認証 (MFA): 重要なリソースへのアクセスにMFAを適用してセキュリティを強化することで、不正アクセスを防止します。
  • アイデンティ連携: アイデンティ連携ソリューションの実装により、ユーザーはプロバイダーごとに異なる認証情報を入力することなく、複数のクラウドプロバイダーのリソースにシームレスにアクセスできます。
  • ロギングと監査: セキュリティインシデントを追跡して調査するために、すべてのクラウド環境でユーザーアクティビティとアクセス試行を確実に記録して監査します。

B. セキュリティとコンプライアンスの確保:

 

  • セキュリティポリシー: すべてのクラウド環境に共通のセキュリティポリシーを策定して適用します。こうしたポリシーには、データ暗号化、ファイアウォール、侵入検知、脆弱性スキャンを含める必要があります。
  • セキュリティアセスメント: 利用している各プロバイダーおよびアプリケーションのセキュリティポスチャを定期的に評価します。これには、脆弱性評価、侵入テスト、セキュリティ監査などが含まれます。
  • コンプライアンス監視: 業界の規制 (GDPRやHIPAAなど) や社内のセキュリティ基準に準拠しているかどうかを継続的に監視し、すべてのクラウド環境がこうした要件を遵守していることを確認します。
  • パッチ管理: すべてのクラウド資産を対象として、セキュリティパッチでソフトウェアとシステムに常に最新の状態に維持する、パッチ管理プロセスを確立します。
  • データ保護: 転送中のデータと保存データを暗号化し、機密レベルに応じてデータを分類して適切なアクセス制御を適用します。
  • インシデント対応: すべてのクラウドプロバイダーが対象となり、インシデントの検知、レポート、対処手順を含むインシデント対応計画を策定します。
  • 定期トレーニングおよび意識向上: セキュリティのベストプラクティスと、マルチクラウド環境におけるコンプライアンスの重要性について、従業員とクラウド管理者にトレーニングを実施します。

C. マルチクラウドセキュリティにおける責任共有モデルへの対応:

 

  • 共有する責任の把握: 各クラウドプロバイダーの責任共有モデルを明確に定義して理解します。どのセキュリティ要素がクラウドプロバイダーの責任範囲となり、どの要素がお客様の責任範囲となるのかを把握します。
  • お客様の責任範囲: お客様に割り当てられたセキュリティ業務に責任を負います。通常は、オペレーティングシステム、アプリケーション、データ、および構成の保護が含まれます。
  • クラウドプロバイダーツール: クラウドプロバイダーが提供するセキュリティツールおよび機能を活用します。これには、アイデンティ/アクセス管理、セキュリティグループ、ネットワークACLなどが含まれる場合があります。
  • サードパーティのセキュリティソリューション: セキュリティギャップを解消して複数のクラウド環境のセキュリティ管理を一元化できる、サードパーティのセキュリティソリューションおよびサービスの利用を検討します。
  • セキュリティの自動化: セキュリティ業務や構成を自動化して、セキュリティポリシーに対する整合性と適合性を維持します。その際はInfrastructure as Code (IaC) などのツールが役立ちます。
  • 定期監査および評価: セキュリティの評価と監査を定期的に実施して、責任範囲が共有されていることを確認するとともに、脆弱性やコンプライアンス違反の問題に迅速に対応します。
  • ドキュメント化と周知: 各クラウドプロバイダーの責任共有モデルについて明確にドキュメント化して維持し、適切な関係者に十分に周知します。

マルチクラウドにおけるデータ管理とポータビリティ

A. マルチクラウド間のデータ移行およびレプリケーション:

 

  • データ移行ツール: クラウドプロバイダーが提供するデータ移行ツールおよびサービスを利用して、異なるクラウド環境間でデータを転送します。
  • データ同期: オンプレミス環境と複数のクラウド環境の間で継続的にデータを同期し、データの整合性と可用性を維持します。
  • 帯域幅とネットワークに関する留意事項: 特にクラウド間で大量のデータを転送する際に、ネットワーク帯域幅とレイテンシを評価してデータ転送速度を最適化します。
  • データレプリケーション: 高可用性とフォールトトレランスを実現するために、複数のクラウドリージョンまたはクラウドプロバイダー間でデータを自動的に複製できるレプリケーションの仕組みを構築します。
  • データ検証: データ検証プロセスを実施して、移行やレプリケーションにおけるデータの完全性を確保します。これには、データの整合性を検証するためのチェックサムやハッシュ値が含まれる場合があります。
  • データ転送コスト: クラウドプロバイダーによってはイーグレスコストが適用される場合があるため、クラウド間のデータ転送に伴うコストを算出して管理します。

B. クラウドプロバイダー間のデータポータビリティに関する留意事項:

 

  • 相互運用が可能なデータフォーマット: クラウドプロバイダー間のデータ移動を簡単に行えるようにするため、標準化された、相互運用が可能なデータ形式とプロトコル (JSON、XML、RESTなど) を利用します。
  • ベンダーロックインの軽減: ベンダーロックインにつながる、独自のデータフォーマットやサービスの利用を回避します。可能であれば、クラウドネイティブまたはオープンソースのテクノロジーを選択します。
  • メタデータ管理: メタデータが適切にドキュメント化され、クラウド間でデータを移動する際に簡単に変換できるようにします。この作業にはメタデータ管理ツールが役立ちます。
  • データ変換: クラウドプロバイダー間の移行において必要な場合は、データ変換プロセスを実行して、データを別の形式に変換します。
  • データ暗号化: 転送中のデータと保存データを暗号化して、クラウド環境間でデータを移動する際のセキュリティとコンプライアンスを維持します。
  • データカタログ: データセットの構造と依存関係に関する情報を提供するデータカタログを管理することで、クラウド間のデータマッピングと移行を簡素化します。

C. マルチクラウドにおけるバックアップおよびディザスタリカバリ戦略:

 

  • マルチクラウドバックアップ: 複数のクラウドプロバイダーにデータコピーを保存するバックアップソリューションを実装して、障害発生時の冗長性と可用性を確保します。
  • バックアップポリシーの自動化: クリティカルなデータおよびアプリケーションの自動バックアップポリシーを設定します。こうしたポリシーでは、バックアップの頻度、保持期間、バックアップ先を規定する必要があります。
  • クロスリージョンレプリケーション: クロスリージョンまたはクロスクラウドレプリケーションを利用して異なる場所でデータのコピーを作成し、地域的な障害から保護します。
  • データのバージョン付け: データコピーの履歴を保持するために、データのバージョン付けを行います。この機能は、特にデータ破壊や意図しない変更から復旧する際に重要となります。
  • ディザスタリカバリ計画: 大規模障害が発生した場合にデータとアプリケーションを保護する手順を含む、ディザスタリカバリ計画を策定して定期的にテストします。
  • Backup as Code: バックアップおよびディザスタリカバリ手順をInfrastructure as Code (IaC) と自動化スクリプトに組み込むことで整合性を確保し、迅速なリカバリを実現します。
  • 監視とアラート: 監視およびアラートシステムを設定して、バックアップの失敗や、データの整合性と完全性に関する問題を検知します。
  • サードパーティのバックアップソリューション: マルチクラウドをサポートし、複数のクラウドにおけるバックアップ/リカバリの管理を簡素化できる、サードパーティのバックアップおよびディザスタリカバリソリューションの利用を検討します。

マルチクラウドにおけるパフォーマンスと拡張性

A. マルチクラウドにおける負荷分散と自動スケーリング:

 

  • 負荷分散戦略: 入ってくるトラフィックを均等に分散させるため、複数のクラウドプロバイダー間で負荷分散を行います。マルチクラウド環境をサポートする、クラウドネイティブなロードバランサーまたはサードパーティソリューションを利用します。
  • 広域負荷分散: 広域負荷分散を利用して、最寄りまたは最も応答の早いクラウドリージョンまたはプロバイダーに転送することで、レイテンシを短縮してユーザーエクスペリエンスを向上させます。
  • 自動スケーリングポリシー: トラフィックまたはワークロードのニーズに応じてリソースを自動的に調整する、自動スケーリングポリシーを設定します。スケールアップまたはスケールダウンのトリガーおよびしきい値を設定します。
  • マルチクラウドロードバランサー: 複数のクラウドプロバイダー間でトラフィックを分散できるマルチクラウドロードバランサーを導入することで冗長性を確保し、ダウンタイムのリスクを軽減します。
  • ヘルスチェック: ヘルスチェックを設定してアプリケーションインスタンスの状況を監視し、正常に稼働していないインスタンスを自動的に削除または交換します。
  • コストに関する留意事項: 一部のクラウドプロバイダーはトラフィックまたはロードバランサーのインスタンス数に基づいて料金を請求するため、負荷分散のコストを監視して最適化する必要があります。

B. マルチクラウドにおける高可用性とフォールトトレランスの実現:

 

  • マルチリージョン展開: 各クラウドプロバイダー内の複数のリージョンにアプリケーションとサービスを展開することで、単一プロバイダーでの高可用性を実現できます。
  • マルチクラウド展開: 複数のクラウドプロバイダーで並行してクリティカルなワークロードを実行することで、マルチクラウドの冗長性を実現します。これにより、プロバイダー固有の障害が発生した場合のリスクが軽減されます。
  • ディザスタリカバリ計画: 1つのプロバイダーのリージョンで大規模障害が発生した場合のクラウドプロバイダー間のフェイルオーバー手順を含む、ディザスタリカバリ計画を策定します。
  • 冗長データストレージ: マルチリージョンレプリケーションやクロスクラウドバックアップなど、冗長なデータストレージレプリケーションを利用して、障害発生時のデータ可用性を確保します。
  • トラフィックルーティングポリシー: 障害が発生したときに、正常なクラウドリージョンまたはクラウドプロバイダーにトラフィックを自動的に転送する、トラフィックルーティングポリシーを実装します。
  • フェイルオーバーテスト: 高可用性とフォールトトレランスの仕組みが想定どおりに機能していることを確認する、フェイルオーバー手順を定期的にテストします。

C. マルチクラウド展開におけるパフォーマンスの監視と最適化:

 

  • リアルタイム監視: マルチクラウドアプリケーションおよびインフラストラクチャの稼働状態とパフォーマンスに関するリアルタイムインサイトを提供する、パフォーマンス監視ツールを導入します。
  • サービスレベル目標 (SLO): クリティカルなサービスのSLOを設定し、こうした目標に対するパフォーマンスを継続的に監視します。SLOを使用してパフォーマンス目標を設定し、最適化作業の優先度を判定します。
  • アプリケーションプロファイリング: アプリケーションパフォーマンスをプロファイリングしてボトルネック、レイテンシの問題、リソース稼働率の高いコンポーネントを特定します。それに従ってコードと構成を最適化します。
  • リソース拡張: リソース稼働率を監視し、パフォーマンス測定基準に基づいて自動スケーリングを行うことで最適なリソース割り当てを実現します。
  • コンテンツ配信ネットワーク (CDN): CDNを利用して、エンドユーザーの近くでコンテンツをキャッシュして配信することで、レイテンシを短縮してパフォーマンスを向上させます。
  • データベース最適化: データベースのクエリ、インデックス、キャッシュを最適化して、マルチクラウド環境におけるデータベースのパフォーマンスを向上させます。
  • ネットワーク最適化: ネットワーク構成とルーティングを最適化することでレイテンシを最小化し、クラウドプロバイダー間の効率的なデータ転送を実現します。
  • コストとパフォーマンスのトレードオフ: パフォーマンス向上とコスト増のバランスをとり、コスト効率に優れた最適化を実現します。
  • 負荷テスト: 負荷テストおよびパフォーマンステストを実施し、トラフィックやワークロードの負荷が高い状態で発生する可能性のある問題を特定します。
  • 継続的な最適化: 定期的なパフォーマンス分析と微調整を含む継続的な最適化プロセスを実行して、マルチクラウド展開における最適なパフォーマンスレベルを維持します。

クラウドの相互運用性と標準化

A. マルチクラウド環境における相互運用性の課題:

 

  • 多様なAPI: クラウドプロバイダーの多くは独自のAPIを利用しているため、異なるクラウドプラットフォーム間でシームレスな相互運用性を確保することが困難になっています。
  • データフォーマットの互換性: データフォーマットやデータ構造の違いが、マルチクラウド環境間のデータ交換や統合の妨げとなることがあります。
  • アイデンティ/アクセス管理 (IAM): IAMの仕組みやポリシーがクラウドプロバイダーによって異なることで、ユーザー認証や承認が複雑になる場合があります。
  • ネットワークの非互換性: クラウドプロバイダーは異なるネットワーク構成を使用している場合があり、複数のクラウド間におけるリソースの連携が困難になることがあります。
  • ベンダーロックイン: 独自のサービスやテクノロジーへの過度の依存はベンダーロックインにつながり、クラウドプロバイダー間の移行が困難になります。
  • データポータビリティ: ストレージの仕組みやプロトコルが異なることで、クラウド間のデータ移行が困難になります。
  • 監視および管理ツール: 標準化された監視および管理ツールがなければ、マルチクラウド環境の一元的な把握は困難になる場合があります。

B. マルチクラウドの導入に関する業界標準およびイニシアチブ:

 

  • Cloud Standards Customer Council (CSCC): CSCCは、組織がマルチクラウド環境を活用してベンダーロックインを回避するのに役立つベストプラクティス、パターン、ユースケースを提供しています。
  • Cloud Native Computing Foundation (CNCF): CNCFは、複数のクラウドにおけるコンテナベースのアプリケーションの相互運用性と標準化をサポートする、Kubernetesなどのクラウドネイティブテクノロジーの利用を促進しています。
  • Open Container Initiative (OCI): OCIは、異なるコンテナプラットフォーム間およびクラウドプロバイダー間のコンテナ化アプリケーションのポータビリティを確保するために、コンテナイメージのフォーマットとランタイムを規定しています。
  • Service Mesh Interface (SMI): SMIは、サービスメッシュテクノロジー向けAPIの標準化に取り組む業界イニシアチブであり、マルチクラウド環境におけるマイクロサービスの管理を簡素化します。
  • Open Service Broker API (OSB API): OSB APIは、マルチクラウド環境におけるサービスのプロビジョニングと管理を標準化し、アプリケーションが異なるクラウドプロバイダーからも一貫してサービスにアクセスできるようにします。
  • マルチクラウドワーキンググループ: 一部の組織やコンソーシアムがワーキンググループを設立し、業界やユースケースに固有のマルチクラウド標準化および相互運用性の課題に取り組んでいます。

C. インタークラウドコミュニケーションおよびデータ転送:

 

  • 標準プロトコル: HTTP、REST、またはgRPCなどの標準的な通信プロトコルを使用して、異なるクラウド環境でホストされているアプリケーションとサービス間のインタークラウドコミュニケーションをサポートします。
  • APIゲートウェイ: 異なるクラウドプロバイダーAPI間の要求や応答を変換できるAPIゲートウェイまたはプロキシを実装することで、一貫したやり取りが可能になります。
  • メッセージキューおよびブローカー: RabbitMQやApache Kafkaなどのメッセージキューイングシステムを利用してアプリケーションとサービスを分離し、クラウド間の非同期コミュニケーションを実現します。
  • データ統合プラットフォーム: クラウド環境間のデータ転送および変換をサポートする、データ統合プラットフォームおよびミドルウェアソリューションを導入します。 
  • サービスメッシュ: 実行されているクラウドプラットフォームを問わず、マイクロサービス間の通信を管理できる、IstioやLinkerdなどのサービスメッシュを実装します。
  • ハイブリッドクラウド コネクティビティソリューション: クラウドプロバイダーやサードパーティベンダーが提供する、ハイブリッドクラウド コネクティビティソリューションを活用して、オンプレミスデータセンターと複数のクラウドとの信頼できるセキュアなネットワーク接続を確立します。
  • エッジコンピューティング: エッジコンピューティングソリューションでは、データソースの近くでデータを処理してアプリケーションを実行できるため、レイテンシを短縮してクラウド間のデータ移動を最小限に抑えることができます。

インタークラウドコミュニケーションおよびデータ転送戦略を成功させるには、お客様固有のマルチクラウドのユースケースと要件に合わせて最適なツール、プロトコル、アーキテクチャーパターンを選択する必要があります。標準化の取り組みと業界のイニシアチブも、クラウド環境間の相互運用を簡素化して強化するのに役立ちます。

マルチクラウドにおけるDevOpsと継続的デリバリの管理

A. マルチクラウド環境におけるDevOps手法の導入:

 

  • Infrastructure as Code (IaC): IaCを導入して、マルチクラウド環境におけるインフラストラクチャのプロビジョニングと管理を自動化します。こうした目的に有益なのが、TerraformやAnsibleといったツールです。
  • バージョン管理: Gitなどのバージョン管理システムを使用してコード、構成、インフラストラクチャテンプレートの変更を追跡し、マルチクラウドプロジェクトにおける整合性とコラボレーションを実現します。
  • コラボレーション開発: コラボレーション開発とコードレビューを促進し、コード変更が展開前に十分に検証され、ベストプラクティスに従っていることを確認します。
  • 環境の整合性: 同じIaCテンプレートを使用することで、異なるクラウドプロバイダーにおける開発、テスト、ステージング、および本番環境の整合性を追求します。
  • コンテナ化: DockerやKubernetesなどのテクノロジーを使用してアプリケーションをコンテナ化し、マルチクラウド環境において整合性のある展開と拡張を実現します。

B. マルチクラウドにおける継続的統合および展開 (CI/CD):

 

  • マルチクラウドのCI/CDパイプライン: アプリケーションを複数のクラウド環境にシームレスに展開できるCI/CDパイプラインを構築します。Jenkins、GitLab CI/CD、CircleCIなどのCI/CDツールがマルチクラウド展開をサポートしています。
  • 自動テスト: CI/CDパイプラインの各段階で自動テストを実施し、さまざまなクラウドプロバイダーにおけるアプリケーションの機能とパフォーマンスを検証します。
  • 導入戦略: ブルーグリーンデプロイメントやカナリアリリースなどの導入戦略を利用して、マルチクラウド環境でアップデートを展開しつつ、ダウンタイムやリスクを最小限に抑えます。
  • パイプラインオーケストレーション: CI/CDパイプラインを統合して、リソースプロビジョニング、構成管理、異なるクラウドプラットフォームへの展開に必要なプロセスを追加します。
  • インフラストラクチャ検証: CI/CDパイプラインにインフラストラクチャ検証を組み込み、IaCテンプレートがエラーフリーで、対象となるクラウドプロバイダーと互換性があることを確認します。
  • ロールバック手法: ロールバックの手法と手順を確立し、展開が失敗したりマルチクラウド環境で問題が発生したりした場合はすぐに安定した状態に戻します。

C. マルチクラウドにおけるDevOpsチーム向けのコラボレーションとツール:

 

  • コミュニケーションチャネル: 複数のクラウドプラットフォームで作業しているDevOps チーム向けの明確なコミュニケーションチャネルとコラボレーションツールを構築します。Slack、Microsoft Teams、または専用のプロジェクト管理プラットフォームなどのツールによってコミュニケーションをサポートできます。
  • ドキュメント化: 各クラウドプロバイダーに固有の展開プロセス、構成、手順を包括的にドキュメント化して維持し、問題に対するチームの理解とトラブルシューティングをサポートします。
  • DevOpsツールチェーン: ソース管理、CI/CD、監視、アラートツールなど、マルチクラウド展開をサポートする統合型DevOpsツールチェーンを活用します。
  • インフラストラクチャ非依存ツール: インフラストラクチャに依存しないツールや手法を選択するか、幅広いクラウドプロバイダーをサポートして、ツールの分断を最小限に抑えます。
  • トレーニングとスキル開発: DevOpsチームに継続的なトレーニングとスキル開発の機会を提供し、マルチクラウドのベストプラクティスとツールに関する最新情報を継続的に届けます。
  • 部門横断型コラボレーション: マルチクラウドの課題に効果的に対処するため、開発、運用、セキュリティ、コンプライアンスチーム間の部門横断型コラボレーションを促進します。
  • セキュリティとコンプライアンスの統合: セキュリティチェックとコンプライアンスチェックをCI/CDパイプラインに組み込み、複数のクラウドにわたってアプリケーションがセキュリティとコンプライアンスの要件に対応していることを確認します。
  • 監視と分析: さまざまなクラウド環境からのデータを集約して分析できる一元的な監視および分析ソリューションを実装することで、可視性を向上させてトラブルシューティングを強化します。

マルチクラウド環境における効果的なDevOpsとCI/CDの手法には、自動化、コラボレーション、そして適切なツールとプロセスのすべてが必要となります。多様なクラウドプロバイダーにわたって複雑な展開を管理する際に重要となるのが、整合性、バージョン管理、ドキュメント化です。

クラウドコストのガバナンスとコスト割り当て

A. 予算およびコスト割り当てモデルの設定:

 

  • 予算計画: 組織内のさまざまな部署、プロジェクト、またはコストセンターの予算を決定して割り当てます。各主体について、コストの上限と期待される成果を明確にします。
  • クラウドコスト管理ツール: クラウドプロバイダーまたはサードパーティソリューションが提供するクラウドコスト管理および最適化ツールを活用して、効率的に予算を立てて管理します。
  • リソースのタグ付け: リソースタグ戦略を導入し、コストに責任を負う部署またはプロジェクトを指定するメタデータが記載されたラベルをクラウドリソースに貼付します。これにより、支出を正確に追跡できます。
  • ショーバック/チャージバックモデル: リソースを利用する部署やプロジェクトに直接クラウドコストを割り当てるため、ショーバックまたはチャージバックモデルの導入を検討します。これによってコストのアカウンタビリティが向上します。
  • コスト割り当てルール: リソース使用状況、データ転送、利用時間などの所定の基準に基づいてコストを配分する、コスト割り当てルールを作成します。
  • 予測: 過去のコストデータと予測ツールを利用して将来の支出を予測し、それに従って予算を調整して支出超過のリスクを回避できるようにします。

B. 異なる部署およびプロジェクトへの予算割り当て戦略:

 

  • 部門別の割り当て: クラウドリソースを使用する部署や事業部門に応じてコストを割り当てます。各部門が予算とコストの責任範囲を把握していることを確認します。
  • プロジェクトベースの割り当て: 特定のプロジェクトまたはイニシアチブにコストを割り当て、プロジェクトマネージャーが効率的に支出を追跡して予算を管理できるようにします。
  • リソースベースの割り当て: 仮想マシンの数、ストレージ容量、データ転送量など、リソースの使用状況に応じてコストを割り当てます。
  • ユーザーベースの割り当て: 該当する場合、部門内の個別のユーザーまたはチームにコストを割り当て、コスト意識とアカウンタビリティを促進します。
  • カスタム割り当て基準: 使用パターン、ビジネス優先事項、レポート要件などのさまざまな要素を考慮に入れ、組織の特定のニーズや構造に合わせてコスト割り当て基準をカスタマイズします。

C. マルチクラウド環境におけるコストの可視性とアカウンタビリティ:

 

  • リアルタイムコスト監視: 複数のプロバイダーおよびアカウントにおけるクラウド支出を可視化する、リアルタイムクラウド監視ツールおよびダッシュボードを実装します。
  • コストアラート: コストアラートを設定し、支出が事前に設定されたしきい値を超えた場合、または予算超過のリスクがある場合に適切な関係者に通知します。
  • コストレポート: 定期的にコストレポートを作成し、部門長、プロジェクトマネージャー、財務チームに共有して透明性とアカウンタビリティを確保します。
  • エグゼクティブダッシュボード: マルチクラウドへの支出の概要と主要なコスト評価基準を経営幹部に示す、エグゼクティブレベルのダッシュボードを提供します。
  • コストアカウンタビリティワークショップ: ワークショップまたはトレーニングセッションを実施して、チームおよび個人にコスト管理のベストプラクティスと支出管理における個々の役割について説明します。
  • コスト最適化チーム: コスト削減の機会を特定して効率化を実現することに責任を負う、部門横断型のコスト最適化チームを設置します。
  • 継続的レビュー: コスト割り当てモデルと予算を定期的にレビューし、ビジネス優先事項やクラウド使用パターンの変化に合わせて調整します。
  • コスト追跡の自動化: コスト追跡おより割り当てプロセスを自動化して手動の作業を削減し、エラーを最小限に抑えます。

効果的なクラウドコストガバナンスおよび割り当て戦略の導入により、組織はマルチクラウドの支出を効率的に管理しつつ、コストに対するアカウンタビリティと透明性を確保するという文化を醸成できます。クラウドへの支出を継続的に最適化するには、予算および割り当てモデルを定期的に監視、レポート、調整する必要があります。

マルチクラウドにおけるリアルタイム監視およびインシデント管理

A. マルチクラウドのリソースとパフォーマンスの監視:

 

  • マルチクラウド監視ツール: さまざまなクラウドプロバイダーにわたって監視をサポートする、マルチクラウド監視ソリューションまたはハイブリッドクラウド管理プラットフォームを利用します。
  • 統合ダッシュボード: 異なるクラウドのパフォーマンスデータを集約する、統合ダッシュボードまたは監視プラットフォームを実装して一元的な監視を実現します。
  • リソース検出: 複数のクラウドプロバイダーにおいてリソースがプロビジョニングおよび廃棄される際に、クラウドリソースを自動的に検出して追跡します。
  • 評価基準とアラート: CPU使用率、ネットワークレイテンシ、アプリケーション応答時間など、マルチクラウド環境における主なリソースおよびサービスのパフォーマンス評価基準とアラートを設定します。
  • ログとトレース: さまざまなクラウド環境からログとトレースを収集し、一元的なログおよびトレースシステムに統合してトラブルシューティングや分析に活用します。
  • 自動スケーリングと異常検知: パフォーマンス評価基準に基づいた自動スケーリングを実装し、異常検知アルゴリズムを活用して、すべてのクラウド環境における異常な挙動を特定します。

B. マルチクラウドにおけるリアルタイムインシデント対応および管理:

 

  • インシデント対応計画: インシデント対応の役割、責任範囲、手順をまとめた、マルチクラウド環境向けの包括的なインシデント対応計画を策定します。
  • インシデント分類: 深刻度と影響に応じてインシデントを分類し、対応作業の優先順位を決定します。エスカレーションとコミュニケーションの基準を定義します。
  • 自動インシデント検知: 自動インシデント検知およびアラートシステムを利用して、インシデントをリアルタイムに検知してチームに通知します。
  • クロスクラウドインシデント管理: 複数のクラウドプロバイダーおよびチームにおける対応を調整できる、一元的なインシデント管理プラットフォームまたはツールを構築します。
  • コミュニケーションチャネル: チャットプラットフォーム、メールアラート、迅速なコラボレーションのためのカンファレンスブリッジなど、インシデント対応専用のコミュニケーションチャネルを構築します。
  • ランブック: マルチクラウド環境で発生しやすいインシデントに対応する方法を詳細に説明する、インシデントランブックを作成します。
  • 根本原因分析: インシデントに対する詳細な根本原因分析 (RCA) を実施して根本的な問題を特定し、再発を防止します。
  • インシデント後レビュー: インシデントを解決後、インシデント後レビューを開催して対応の効果を評価し、改善すべき点を明確にします。

C. 監視ツールの統合による一元管理:

 

  • API統合: クラウドプロバイダーやサードパーティ監視ツールが提供するAPIを利用して、さまざまなソースのデータを一元的な監視およびインシデント管理プラットフォームに統合します。
  • オーケストレーションと自動化: 事前に設定したポリシーとプレイブックに基づいてインシデント対応と修正措置をトリガーする、オーケストレーションと自動化を実装します。
  • データ標準化: さまざまなクラウドプロバイダーのパフォーマンスデータとアラートを共通のフォーマットで標準化し、分析や関連付けを簡素化します。
  • 一元的なインシデントプラットフォーム: 複数の監視元のアラートとインシデントを集約できる、一元的なインシデント管理プラットフォームまたはインシデント対応ツールを実装します。
  • マルチクラウドアグリゲーター: さまざまなクラウド環境のデータを単一のストリームに統合して分析に利用できる、マルチクラウドアグリゲーターサービスまたはソリューションの利用を検討します。
  • クロスプラットフォームダッシュボード: すべてのクラウドプロバイダーのインシデントおよびパフォーマンスデータを一元的に把握できるダッシュボードの作成により、可視化と追跡が簡単に行えます。
  • マルチクラウドAPIゲートウェイ: マルチクラウドAPIゲートウェイを利用してアラートと通知を適切なインシデント対応チームおよびツールに転送し、効率的なインシデント管理を実現します。

マルチクラウド環境における効果的なリアルタイム監視およびインシデント管理には、適切なツール、プロセス、コミュニケーションチャネルのすべてが必要となります。その目的は、インシデントを迅速かつ効率的に検知して対応することで、ダウンタイムを最小化してビジネスオペレーションへの影響を軽減することにあります。

マルチクラウド管理における今後の動向とイノベーション

A. AI主導の管理と最適化:

 

  • AIによるコスト最適化: AIおよび機械学習アルゴリズムは、使用パターンを継続的に分析してリソース調整を提案することで、マルチクラウドコストの最適化において重要な役割を果たします。
  • 予測スケーリング: AI主導の予測分析により、予測されるワークロードに応じたリソースの自動スケーリングが可能になり、パフォーマンス効率とコスト効率が向上します。
  • 異常検知: AIを利用した異常検知により、複数のクラウド環境における異常な挙動や脅威をリアルタイムで特定することで、セキュリティとコンプライアンスを強化します。
  • 自律運用: マルチクラウド環境の自己修復、自己最適化、自己保護が可能な自律型クラウド管理システムの開発が進んでいます。

B. エッジコンピューティングと分散マルチクラウド戦略:

 

  • エッジクラウド統合: マルチクラウド管理をエッジコンピューティング環境にまで広げることにより、クラウドデータセンターとエッジ拠点にわたってワークロードの管理とオーケストレーションが可能になります。
  • 分散クラウドアーキテクチャー: 今後のマルチクラウド戦略は、一元化されたクラウドリソースにエッジコンピューティングを組み合わせて、低レイテンシかつ高パフォーマンスのアプリケーションを実現する、分散型アーキテクチャーが中心となります。
  • ハイブリッドマルチクラウドエッジ: 多くの組織が、パブリッククラウド、プライベートクラウド、エッジコンピューティングインフラストラクチャをシームレスに統合して拡張性とアジリティを向上させる、ハイブリッドマルチクラウドエッジソリューションを導入する見込みです。
  • エッジ管理ツール: エッジコンピューティングに固有の課題に対処するために、マルチクラウド環境内のエッジリソース管理専用ツールが登場します。

C. マルチクラウド環境向けの高度なツールおよびプラットフォーム:

 

  • マルチクラウド管理プラットフォーム (MCMP): MCMPが進化し、AI主導の最適化、自動ポリシー制御、高度なセキュリティ機能といった高度な機能を利用できるようになります。
  • クラウドネイティブツール: クラウドネイティブネイティブおよびプラットフォームは今後ますます注目されるようになり、マルチクラウドをネイティブでサポートするとともに、複数のクラウドプロバイダーにわたるアプリケーションの展開と管理を簡素化します。
  • サーバーレスおよびコンテナオーケストレーション: サーバーレスコンピューティングおよびコンテナオーケストレーションソリューションが成熟し、複数のクラウドにサーバーレス機能やコンテナ化ワークロードをシームレスに展開できるようになります。
  • クロスクラウド開発環境: クロスクラウドの開発および展開ワークフローをサポートする、高度な統合開発環境 (IDE) およびDevOpsツールが登場します。
  • 標準化の取り組み: マルチクラウド管理に関する業界のイニシアチブや標準がさらに発展し、相互運用性が向上してベンダーロックインが軽減される見込みです。
  • Governance as Code: ガバナンスポリシーとコンプライアンス要件が自動化ツールによって規定および適用され、マルチクラウド環境全体のよりきめ細かい管理が実現されます。
  • データ管理と統合: マルチクラウド環境におけるデータ移動、変換、分析をサポートする、高度なデータ管理および統合プラットフォームが登場します。

マルチクラウド環境の複雑さが増すなかで、組織のニーズの変化に対応できる革新的なソリューションやテクノロジーが今後も登場します。AI主導の最適化、エッジコンピューティング統合、高度なツール類が未来のマルチクラウド管理を構築します。こうした最新の動向に機敏に対応している組織は、マルチクラウド戦略の複雑さに効果的に対処しつつ、そのメリットを活用することができます。

マルチクラウド環境の管理方法

マルチクラウド環境の生産的かつ効果的な管理は、以下で構成されます。

  • 自動化: 自動化と機械学習 (ML) を活用することにより、ITチームはマルチクラウド環境で効率的にセキュリティを管理してプロアクティブなソリューションを実装し、運用を拡張できます。
  • 互換性: さまざまな環境にデータが置かれているため、すべてのコンテナに互換性があれば非常に効果的な管理が可能になります。高レベルの効果的な管理を実現するには、単一のインターフェイスでコンテナを管理できなければなりません。

マルチクラウド環境におけるワークロードの移動方法

ワークロードを移動する最も効率的な方法は、ストレージコンテナを使用することです。Kubernetesなどのコンテナオーケストレーションシステムには、単一のアプリケーションとそのアプリケーションを実行するのに必要なソフトウェアのすべてが格納されますが、コンテナにデータを保存すれば、クラウド環境間で戦略的かつ効率的にワークロードを移動できます。

ワークロードを新しい環境に移行するときには複製も非常に重要であり、それによってデータ損失や新しい環境でのパフォーマンスの低下を防ぐことができます。多くの場合、データが別の環境でどのように機能するのかはわからないため、複製によるデータセキュリティの確保は極めて重要です。クラウド全体で利用可能なデータのセカンダリバージョンがあれば、新しい場所でセキュアな機能を確立するまでデフォルトの状態を保つことができます。

マルチクラウド環境に戦略的にワークロードを分散する目的は、アプリケーションの効率とワークロードの実行可能性を向上させることにあります。コンテナ内のワークロードを別のクラウドに移動するプロセスは複雑になることがあり、アプリケーションとワークロードを適切に実行するには戦略的な配置が不可欠ですが、効果的なクラウド管理システムでしかそれを実現することはできません。

マルチクラウド管理の課題

マルチクラウド管理システムには、さまざまなプラットフォームに置かれている膨大なデータの複雑さに起因する課題が多くあります。

非常に多くのワークロードを同時に監視、サポート、展開しなければならないため、構造化された管理システムは極めて重要です。このようなマルチクラウド環境内にある幅広いデータには複雑さが見られますが、その理由は特にアプリケーションごとに依存関係や要件が異なる点にあります。マルチクラウド管理はどの部分も複雑であり、その仕組みと意図された設計を正しく活用する必要があります。クラウド全体のデータを把握して管理できなければ、クラウド内のパフォーマンスの問題を特定できず、データ損失やパフォーマンス低下のリスクが生じます。

マルチクラウド管理のもう1つの問題としては、データ損失のリスクとリカバリのコストが挙げられます。ほとんどのプロバイダーが提供しているサービス内容合意書は、多くの企業組織が必要としているデータサービスをカバーしておらず十分とはいえません。また、さまざまなクラウド環境があり、それが原因でデータを移動するのが難しくなっていることから、予測不可能なコストと使用量の急増という課題も生じています。

このような理由から、均一なコンテナが必要不可欠となっているのです。マルチクラウド管理の最大の課題の1つとして、統合に関する懸念を生じさせることなく、さまざまな形態の環境におけるアプリケーションの移動と分散のバランスを取ることが挙げられますが、コンテナは、多種多様なパブリッククラウド環境が存在するにもかかわらず、アプリケーションを一様にホストしてシームレスなポータビリティを実現することにより、このような問題の発生を防ぎます。

HPEとマルチクラウド管理

データは組織の原動力であり、ビジネスを進展させるにはデータ管理を簡素化することが重要ですが、HPE GreenLake for Storageを活用すれば、すべてのアプリケーションとデータにクラウドオペレーションのエクスペリエンスをもたらして変革を促進できます。HPEのソリューションでデータ管理を最新化すべき理由は、STaaSでアプリケーションの障害をなくして変革を加速させると同時にデータの有益な情報を活用し、プライベートクラウドとエッジのデータのモビリティを実現できる点にあります。

複雑さは、データトランスフォーメーションを制限するITDMとビジネスリーダーにとっての既知の問題です。今日のビジネスの需要に対応するには、適切な管理ソリューションが必要ですが、HPE GreenLakeなら、クラウドオペレーションのエクスペリエンスを活用してカスタマー・エクスペリエンスを低下させている問題を特定し、解消することが可能です。

お客様のマルチクラウド環境に合った管理ソリューションは、リスクを軽減して多大なコストメリットをもたらします。HPE Cloud Volumesは、複数のパブリッククラウドと連携し、ダウンタイムとデータ損失のリスクを軽減します。また、ベンダーロックインの排除、クラウドレディのオンプレミスハードウェアからのクラウドの容易な利用、クラウド間のシンプルなデータ移動を実現します。

HPEのクラウド管理は適正なストレージソリューションをベースとしており、HPEのマルチクラウドストレージソリューションは、ハイブリッドクラウドを簡素化するとともに、AWS、Azure、およびその他のクラウドネイティブAPIと統合されるクラウドストレージAPIを使用してマルチクラウド管理を容易にする機能を提供します。データをグローバルに可視化することでさまざまな問題を回避し、予測を取り入れて豊富な情報に基づいた判断を下すことができます。また現在では、インテリジェントな自動化機能により、Kubernetes、Ansible、Chef、Puppetなどのコンテナや構成管理ツールとの統合を活用して、DevOpsを自動化することが可能です。

HPE Pointnext Servicesは、専門的な管理サービスでアプリケーションを長期間稼働させ続けるとともに、インフラストラクチャとソフトウェアの統合の設計と実装を支援します。また、お客様の組織の将来に向けたロードマップを定めるアドバイザリサービスにより、単一サイトからグローバルなマルチサイトの展開までのプロジェクトをサポートする専門知識を提供します。