マルチクラウドストレージ
マルチクラウドストレージとは
マルチクラウドストレージは、単一のインターフェイスを使用して調整される、各種クラウドストレージサービスで構成されたストレージアーキテクチャーであり、複数のパブリッククラウド環境間でデータコンテナの利用と移動が行えます。
マルチクラウドの定義
マルチクラウドは、組織がデータ、アプリケーション、資産をホストする際に使用する、さまざまなクラウドコンピューティングおよびストレージサービスで構成されたアーキテクチャーです。複雑な構造ですが、単一のインターフェイスを戦略的に管理することで簡素化されています。マルチクラウド環境では、互換性のある管理インフラストラクチャがなければ、データ環境の可視性、モビリティ、持続可能性、セキュリティを効率的に維持することはできません。
マルチクラウド管理とは
マルチクラウド管理は、組織のITチームが単一のインターフェイスを使用してさまざまなパブリッククラウドのワークロードを監視し、アプリケーションのセキュリティを維持するために利用されるシステムと構造で構成されています。
マルチクラウド環境に接続する方法
マルチクラウド環境は単一のインターフェイスにホストされており、ユーザーがインターフェイスにアクセスするための認証情報を取得すると、安全なフレームワーク内で作業してデータやインサイトにアクセスできるようになります。このタイプの接続ソリューションでは、ユーザーがパブリッククラウドとプライベートクラウドのリソースにサービスとしてアクセスできます。自動化を活用することで、ユーザーが接続するネットワークを構成するサービスを確立できます。マルチクラウド環境への接続は、特定のAPI内でリソースを確立するマルチクラウドコントローラーを通じて実現されます。アクセスするには、パスワードで保護されたマルチクラウドネットワークに対する特定のセキュリティ権限が必要です。
マルチクラウド環境への接続を展開する手順は次のとおりです。
- SaaSおよびパブリックハイパースケールプロバイダーへのアクセスを確立する
- エンドユーザーをマルチクラウドプラットフォームに接続するインフラストラクチャを決定する
- エンドユーザーがサービスにアクセスするためのインターフェイスを提供する
- エンドユーザーがセルフプロビジョニングを行うか、自動内部プロビジョニングを実行して接続を確立するための権限を設定する
マルチクラウド環境を管理および自動化する方法
マルチクラウド環境の生産的かつ効果的な管理は、戦略的な管理プロセスで構成されます。アプリケーションとワークロードの成功と持続可能性を確保するには、複雑なマルチクラウドデータアーキテクチャーの管理を最優先事項とする必要があります。
自動化と機械学習 (ML) を活用することにより、ITチームはマルチクラウド環境で効率的にセキュリティを管理してプロアクティブなソリューションを実装し、運用を拡張できます。必要な場合にのみサービスを利用することでコストが最小限に抑えられ、データのアクセシビリティがさらに最適化されます。マルチクラウド環境に単一のフレームワークを利用することで、データの正確な場所と機能を把握し、盗難やデータ損失のリスクを効果的に軽減できます。
マルチクラウド環境を適切に管理するには互換性が重要です。さまざまな環境にデータが置かれているため、すべてのコンテナに互換性があれば非常に効果的な管理が可能になります。高いレベルの効果的な管理を実現するには、単一のインターフェイスで管理できなければなりません。
HPEマルチクラウドストレージソリューションでデータの管理と保護が強化される仕組み
最適なマルチクラウドストレージソリューションは、リスクを軽減しながら大きなコストメリットをもたらします。HPE Cloud Volumesストレージは、複数のパブリッククラウドと連携し、ダウンタイムとデータ損失のリスクを軽減します。また、ベンダーロックインの排除、クラウドレディのオンプレミスハードウェアからのクラウドの容易な利用、クラウド間のシンプルなデータ移動を実現します。
HPE Nimble Storageでは、場所を問わず、あらゆるワークロードを実行できます。本番データベースからVM、バックアップに至るまで、あらゆるデータワークロードでインテリジェントクラウドストレージを活用できます。HPE Nimble Storageは、クラウドネイティブな運用のために再設計することなく、従来のエンタープライズアプリケーションやビジネスアプリケーションを実行できる設計となっており、必要な場所でサポートを提供します。
HPEがハイブリッドクラウドソリューション向けに最適化したデータ保護は、データセンターからクラウドまでのあらゆるデータをエンドツーエンドに保護し、迅速なリカバリを実現します。HPE PrimeraとHPE Nimble Storageでは、データセキュリティをアプリケーションに統合してクラウド対応の機能にすることで、フラッシュへの移行を最大限に活用できます。それによってデータ損失の脅威が低減され、フラッシュ統合データ保護によりパフォーマンスが最適化されます。
HPEのクラウドストレージソリューションは、ハイブリッドクラウドを簡素化するとともに、AWS、Azure、およびその他のクラウドネイティブAPIと統合可能なクラウドストレージAPIを使用してマルチクラウド管理を容易にする機能を提供します。データをグローバルに可視化することでさまざまな問題を回避し、予測を取り入れて豊富な情報に基づいた判断を下すことができます。また現在では、インテリジェントな自動化機能により、Kubernetes、Ansible、Chef、Puppetなどのコンテナや構成管理ツールとの統合を活用して、DevOpsを自動化することが可能です。
HPE Servicesでは、専門的な管理サービスでアプリケーションを長期間稼働させ続けるとともに、インフラストラクチャとソフトウェアの統合の設計と実装を支援します。また、ロードマップを策定するアドバイザリサービスにより、単一サイトからグローバルなマルチサイト展開までのプロジェクトに必要な専門知識を提供します。