サービスとしてのソフトウェア (SaaS)
サービスとしてのソフトウェア (SaaS) とは
サービスとしてのソフトウェア (SaaS) とは、ローカルコンピューターにインストールされるのではなくネットワークまたはクラウドから実行されるアプリケーションです。
SaaSが人気のある理由
SaaSは、ネットワークにホストされて実行されるすべてのアプリケーションです。Webブラウザーとオペレーティングシステム以外にユーザーがコンピューターにインストールするものはありません。SaaSでは、開発者はユーザーに更新のインストールを求めることなく、シームレスにアプリケーションを更新し続けることができます。
SaaSを利用するアプリケーション
メールのチェック、ワープロなどのオフィスツール、CRM、プロジェクトコーディネーションなど、サービスとしてのソフトウェアモデルは、企業と個人のコンピューティングにおいて、ますます広く採用されています。Microsoft OutlookなどSaaSに移行したアプリケーションもあれば、Salesforceなど設立当初からクラウドベースのアプリケーションもあります。
SaaSのメリット
SaaSモデルには多くの重要な利点がありますが、中でも大きなメリットは互換性、効率性、コストです。
互換性は、SaaSアプリケーションを運用する上でおそらく最も重要なメリットの1つです。現在、文字通り何千ものハードウェア構成が使用されていますが、いずれもGoogle Chromeなどの標準的なブラウザーを実行できる点は共通しています。これにより、開発者は、個々のチップセットやオペレーティングシステムのバージョンごとに互換性を確保する必要がなくなります。
同時に、このメリットにより、開発者とITプロフェッショナルは時間と費用を節約できます。アプリケーション更新がサーバーサイドでシームレスに実施されるため、企業や施設側では、文字通り何も更新する必要がありません。ユーザーが互換性のある環境を使用している限り、ソフトウェアは想定どおりに動作します。また、ローカルコピーの保守や、更新の購入に費やす時間と費用も節約されます。
SaaSとクラウドの比較
クラウドベースのソフトウェアとSaaSは、同じ意味で使われることが多い言葉ですが、この2つにはいくつかの違いがあります。
サービスとしてのソフトウェアは確かにクラウドから実行されますが、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azureなどのクラウドベースのソフトウェアではユーザーがアプリケーションをカスタマイズして管理できる一方、Salesforce、Slackなどのソフトウェアではそれができません。SaaSのユーザーは、ソフトウェアの継続的な更新とメンテナンスのためにサブスクリプション料を支払うのに対し、クラウドベースのソフトウェアでは通常、ユーザーが自分でこれらを行う必要があります。
SaaSとクラウドソフトウェアのもう1つの主な違いは、ライセンス方法にあります。SaaSアプリケーションは、事実上リースで、ベンダーのサーバーからソフトウェアを実行します。また、技術的には「クラウドから」実行されていると定義できますが、クラウドソフトウェアは場所に依存しません。クラウドコンピューティングは、開発者やIT部門向けであり、必ずしも単にアプリケーションを実行するためのものではありません。
SaaSの使用方法
生産性
よりユビキタスなアプリケーションの1つは、生産性アプリケーションです。例えば、最も長い歴史を持ち、最も人気のあるソフトウェアパッケージの1つであるMicrosoftのOfficeスイートは、Office 365として、SaaSサブスクリプションとして提供されています。ユーザーは、どのコンピューターやモバイルデバイスからでも、自分のメール、プレゼンテーション、スプレッドシート、Word文書にアクセスできます。Google Docs、Slides、Sheets、そして人気のあるGmailのスイートも、as a serviceで提供されるオンライン生産性アプリケーションの一例です。
プロジェクト管理
Zoom、Slack、Box、Microsoft Teamsなどのアプリケーションも膨大な数のユーザーを抱えています。チームコラボレーションやファイル共有ツールが提供され、世界中に広がるグループがあたかも中心拠点に集まっているかのように作業できます。コメントや質問を共有したり、更新を提供したり、製品を連携して管理したりできるため、スピードと効率が向上します。
CRM
初期のSaaSアプリケーションの1つとされるSalesforceは、顧客関係管理 (CRM)、マーケティングオートメーション、および分析用の優れたツールです。ケース、タスク、問題の管理が簡素化され、エンドツーエンドのトラッキングが可能です。
専門性の高いアプリケーション
最新のSaaSアプリケーションは、Lumen5などのメディア制作ツール、NetSuiteなどの財務会計ソフトウェア、DocuSignなどのドキュメント/シグネチャー検証をはじめとして、膨大な数に上ります。SaaSモデルの人気と用途が増え続ける中、事実上すべてのコンピューティングタスクにこの方法でアクセスする日が来ると想像するのは難しいことではありません。
HPEとSaaS
HPEは、モダンコンピューティングにおけるエンタープライズレベルのSaaSアプリケーションをリードしてきました。2017年、HPEは、マルチクラウド環境の構築と管理を目指すITオペレーション、開発者、経営者向けに設計されたOneSphereをリリースしました。
HPEのもう一つのSaaSソリューションは、インフラストラクチャのパフォーマンスを管理し、アップタイムを確保するためのAI支援ソリューション、InfoSightです。HPE InfoSightの予測分析システムは、インフラストラクチャの問題を予測、防止、解決し、企業をベンダーサポートの悩みから解放します。
HPEは、組織を完全にクラウドに移行するための投資を続けており、ビジネスや教育を前進させるSaaSソリューションの提供に重点を置いています。2022年までにすべてを「as a service」で提供するというHPEの約束は、最高のハードウェアソリューションとクラウドベースのソフトウェアを提供するというコミットメントの一例です。